ゴジラ映画全22作
5. 三大怪獣 地球最大の決戦
GHIDRAH,THE THREE HEADED-MONSTER
1964年12月20日封切 上映時間1時間33分
カラー・東宝スコープ 動員/541万人
<スタッフ>
製作/田中友幸 監督/本多猪四郎 脚本/関沢新一 撮影/小泉一 美術/北猛夫 録音/矢野口文雄 照明/小島正七 音楽/伊福部昭
[特殊技術]特技監督/円谷英二 撮影/有川貞昌、富岡素敬 光学撮影/大野田幸雄、徳政義行 美術/渡辺明 照明/岸円九一郎 合成/向山宏
<出演者>
進藤刑事/夏木陽介 村井助教授/小泉博 進藤直子/星由里子 サルノ王女/若林映子 小美人/ザ・ピーナッツ(伊藤エミ、伊藤ユミ) 塚本博士/志村喬 黒眼鏡/伊藤久哉 沖田課長/平田昭彦 金巻班長/佐原健二 TV司会者/青空干夜、青空一夜 老臣/天本英世 安楽椅子の男/大友伸 寿山号船長/田島義文
●キングギドラ初登場
 ゴジラが誕生してちょうど10年、1964年には、『モスラ対ゴジラ』『宇宙大怪獣ドゴラ』『地球最大の決戦』と、東宝怪獣映画が3本も製作されている。しかも、この作品では、ゴジラ、モスラ、ラドンの人気怪獣トリオに加えて、宇宙超怪獣キングギドラが初登場。ドラマの方も、金星人と名乗る予言者に某国の暗殺団、敏腕刑事に小美人と盛り沢山である。
 この映画でモスラ、ラドンと手を組み、地球のために闘ったことから、恐怖の対象としてのゴジラは完全に終わりを告げるが、それを上まわる恐怖としてキングギドラが出現したことは歓迎したい。それまでの怪獣映画の集大成ともいうべき内容に仕上がり、怪獣ブーム到来のきっかけを作った作品といえるだろう。
 ちなみに、サルノ王女が金星人の声に導かれて飛行機から脱出する冒頭シーンは、漫画『幻魔大戦』( 原作・平井和正、画・石ノ森章太郎)に影響を与えたともいわれている。