月間建設メディア 1999/03/01
福島建設工業社発行の「月間建設メディア3月号」に、僕の取材記事がのりました。
明日を担う若手経営者の提言「この人に聞く〜そのA」
情報の共有化の効果は絶大!
LAN構築で業務の効率化推進
且癡ム組
宮城県栗原郡栗駒町岩ケ崎神南26の1
TEL0228-45-1668、FAX0228−45−5084
代表取締役・菅原智樹氏

■原価管理システムからコンピュータを導入しましたね。
 建設業の場合、現場ごとの原価を把握することが大変重要なので、コンピュータを使って、原価管理を効率的にしようと、今から13年前、斎藤新平社長(インターフェースアンドテクノロジー・仙台市)に大変お世話になりシステム導入に踏み切りました。導入したシステムは「建設業原価管理システム〜ザ・ゼネコン」でした。
 当時は「コンピュータを導入すれば、なんとかなる」と漠然と考えていた人もいましたから、システム確立の必要性やメリットなどを説明しながら、社員の意識改革と社内体制の整備に取り組みました。
 特にシステム導入後は現場ごとに受注金額と経費などのデータを記録・管理ができましたね。当初は現場から帰って日報を入力することが大変でしたが、半年後には事務職がデータ入力をこなすようになってから日報や積算管理、施工管理から経理事務にいたるまでコンピュータで管理してます。
■書類が少なく事務所が整然とし、OA化されている印象を受けましたが。

 事務所には7台、私の自宅にも1台パソコンを配置しています。 LAN構築には5年前から取り組み、業務の効率化を推進しています。1台をメインに設置し、他をサブとして使う方がよいと考えシステムを組んできました。特に積算を管理し、情報を共有化できる効果が大きいですね。それまでは感覚で理解していたものが、出力されたデータで認識でき、原価が徹底的に管理されるだけでなく、全体の意識改革にも結び付いたと思いますね。
 今後も情報を共有化することで、更に有効活用方法を検討していきたいと考えています。これは余談ですが1階の総務部と2階の工事部はカメラを取り付けて、いつでも工事部の社員が在席か不在かを1階で確認し面会や電話などの応対をスムーズに進めるシステムも活かしてスピーディーに処理しています。

組立、配線、メンテまで自前で

■コンピュータソフトの企画書をメーカーに提出したそうですが。
10年ほど前、施工管理のコンピュータソフトの企画書をあるメーカーに提出しました。自分たちで使いやすいソフトを作ってほしいと考えたからです。残念ながらその企画書は、陽の目を見ることがなかった(メーカーが開発しなかった)のですが、現在は私が考えたものとそっくりのソフトが何本か出まわっています。それを見ると、嬉しいような悔しいような思いがしてしまいます。

■責社はいち早く情報化に取り組んできましたが、これまでに苦労した点 や今後の取り組みと展開は。
 苦労した点というのは特にありません。私自身、コンピューターが好きなので、社内のOA化はすべて趣味の延長です。パソコンの組立、メンテナンス、LANケーブルの配線などは、すべて私自身で行います。今後はネットワークサーバーやファイルサーバーの設置にも挑戦して本当の意味での、情報の共有を日差したいと思います。

少しの経費で大きな効果が期待

■自社の経験を踏まえて、これからLAN構築などを進める方にアドバイスをお願いします。
 昔はハードとソフトが一式で何百万円もして、メンテナンスやアップデートは、メーカー側しかできないのが当たり前で非常に経費がかかりました。
それを考えると、現在のパソコンの性能、価格は素晴らしいものです。このようなコンピューターの進歩を企業の利益に利用しないのは、もったいないかぎりです。
 みなさんは無料のCADソフトがインターネット上に存在するのを御存知でしょうか?会社の中に一人でもコンピューターに詳しい人間がいると、少しの経費で大きな効果を期待できます。コンピューターなんてわからない。難しい。と言う人もぜひ、挑戦してみて下さい。ちょっと昔、ビデオデッキが出回ってきた時に、私達が父や母に、「なんだ。ビデオの使い方もわからないのか」と馬鹿にしたように、息子たちに「お父さん、パソコンもできないのか? タイプも打てないのか?」と馬鹿にされる時代がすぐそこにやってきているのです。(写真・文 一條)

会社概要
創 立:昭和3年4月1日
資本金:2000万円
従業員数:21人(男18人/女3人)
主要業種:土木工事・建築工事・大工・舗装・
造園・水道施設工事
完成工事高:952,095千円(平成8年度)